美濃加茂事典
庚申像(こうしんぞう)
 庚申信仰とは、江戸時代に流行した民間信仰の1つである。中国の道教の教えの中に、人の体内にいる虫が60日目ごとに回ってくる「庚申」の夜に天に昇ってその罪過を告げるために、生命を縮められるとする信仰があるが、それを防ぐために庚申の夜は眠らずに言行を慎み、村の講中のものが徹夜で酒食をとったという。その信仰の対象として石造の庚申像や庚申塔が多く造立されることとなる。美濃加茂市内の庚申信仰に関わる石造物は36基あるが、太田地区が最も多く、深田町の深田神社境内に祀られる庚申像は、寛文10(1670)年の銘があるこの地方で最も古い時期の庚申像である。前面に病魔・病鬼を払い除く青面金剛の立像が彫られている。この庚申像は美濃地方でも最古の部類のものである。この像は平成11(1999)年、市有形文化財に指定されている。
【基本図書】『市史/民俗編』p126、『市史/史料編』p754~759
【図書資料】No.13『美濃加茂の石仏』、No.3501『市民のための美濃加茂の歴史』p102
【データベース】「美濃加茂市の文化財」指定文化財一覧 深田の石造庚申像(市指定)、「これまで調査してきたこと」広報みのかも特集記事2 ふるさと紹介49 史料と地名からみた地区の歴史(4)太田(四)