美濃加茂事典
伝若名御前宝篋印塔(でんわかなごぜんほうきょういんとう)
 美濃加茂市下米田町山本にある南北朝時代初期の様式をそなえた宝篋印塔。昭和51(1976)年、市有形文化財に指定。塔身に胎蔵界(密教で説く二つの世界のうち一)の四仏を表す梵字を四方に配している。字は薬研彫りといわれるV字に彫られ、鎌倉期の特徴を残している。基盤の逆花(かえりばな)は楕円形で大きく、側面の格狭間(こうざま)の蓮華文も彫が深く、内側に盛り上がりがみられ、すぐれてみごとな宝篋印塔といえる。笠の部分で隅飾が欠けているのが惜しまれる。この宝篋印塔は木曽義仲の母、若名御前のお墓という言い伝えがあり、この塔の名前の由来となっている。
【基本図書】『市史/通史編』p305,306、『市史/民俗編』p466,467
【図書資料】No.13『美濃加茂の石仏』、№18『美濃加茂の文化財―改訂版―』、No.3501『市民のための美濃加茂の歴史』p115
【歴史写真】№1095「若名御前宝篋印塔」
【データベース】〈美濃加茂市の文化財〉「指定文化財一覧」伝若名御前宝篋印塔(市指定)、〈みのかもを考古学しよう!〉伝若名御前宝篋印塔