美濃加茂市の指定文化財
白隠筆濃陽冨士山記(はくいんひつのうようふじさんき)

区分: | 市指定有形文化財 |
種別・種目: | 書跡 |
時代: | 1716(正徳6)年 |
大きさ: | 62×22㎝ |
所在地: | 山之上町 |
所有者(管理者): | 個人 |
指定年月日: | 1991年(平成3年7月14日) |
解説
臨済宗中興の祖といわれ、妙心寺第一座になった江戸中期の高僧・白隠禅師(1685~1768)は若き頃全国各地で修行を重ね、正徳5(1715)年に俗界を離れた地を求めて山之上岩滝山の山中に入りました。以来、父の病により駿河へ帰郷するまで1年9か月の間、地元の有徳の士・鹿野善兵衛らの献身的な援助を受けながらも、もっぱらここで座禅三昧にふけりました。この記は「正徳丙申仲秋」と書かれ(享保元年・1716年)、当時修行していた山之上・中之番の賑済寺の岩滝山から眺めた富士山の由来を記し神社に奉納したものです。板(縦62cm、幅22cm)の両面に格子状の桝目が施され楷書で書かれています。晩年の独特な書風とは違い、最も若い頃の白隠の書跡として貴重です。なお、この板地墨書の資料とは別に、紙に書かれた「濃陽冨士山記 茅斎記」が残っています。