森の日記
第19回坪内逍遙大賞 松岡和子さん
2022/06/21No.570
美濃加茂市は、2021年7月29日に行われた坪内逍遙大賞選考委員会にて、満場一致の決議を受け、第19回坪内逍遙大賞を松岡和子さんに決定しました。

翻訳家・演劇評論家である松岡和子さんは、シェイクスピアの全37戯曲を1993(平成5)年から28年の歳月をかけて翻訳するという偉業を達成しました。

みのかも文化の森では、松岡和子さんの功績の一部をご紹介するコーナーを設けました。

書籍の貸出しはしておりませんが、[情報コーナー]にてゆっくりと読んでいだだけます。

ぜひ手に取って見ていただき、興味を持っていただけたら幸いです。

また、令和4年10月13日に
【第19回坪内逍遙大賞授賞式・記念事業】
を予定しております。
詳細が決まりましたらホームページ等でお知らせしますので、ぜひ、お楽しみにしてください。
第19回坪内逍遙大賞 松岡和子さん
松岡和子さん紹介コーナー
坪内逍遙の翻訳したシェイクスピア全集
おばあちゃんちのおかって☆ 美濃加茂伝承料理の会
2022/06/15No.569
館内で販売している【おばあちゃんちのおかって】はこの地域に伝わる料理のレシピ本で当館オリジナルです。

職員による手書きの文章とかわいい挿絵の入ったこのレシピ本はまるでおばあちゃんが残してくれたメモを見ているようで懐かしい気持ちになります。

今月の【四季を食べる講座】は『梅干し』です。
(*この講座の申し込みは終了しています。)
指導してくださる美濃加茂伝承料理の会の皆さんが下準備を行いました。

一つずつ丁寧に梅のヘタをとります。
この日は塩漬けまでの作業を行い、講座の日を待ちます。
去年漬けた梅干しを試食させていただきましたが、とても美味しく元気がでました!

◆ 今後も【四季を食べる講座】を計画していますので、詳しくは〈講座事前申し込み〉をチェックしてくださいね。

◆ 【おばあちゃんちのおかって】
  全5種類
1冊 各100円~150円
  ミュージアムショップにて販売中。
おばあちゃんちのおかって 本
おばあちゃんちのおかって 手書きのイラスト
梅干し へたとり
梅干し 塩漬け
梅干し 桶
桑の葉
2022/05/25No.568
みのかも文化の森敷地内に生えている大きな桑の木に葉が茂り、実がたわわになっています。

5月21日から5月25日までは、季節のこよみで「蚕起食桑」(かいこおきてくわをはむ)といわれ、蚕が桑の葉を盛んに食べはじめる時期のことです。

美濃加茂ではかつて養蚕が盛んに行われていました。
現在『収蔵品展 蚕とまゆ』展にて蚕とまゆの生育とその道具の使われ方を紹介しています。
ぜひお立ち寄りください。

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◇会 期: ~8月28日(日)
◇休館日: 月曜日
(ただし祝日の場合は開館し、直後の平日休館)
◇時 間: 午前9時~午後5時
◇観覧料: 無料
◇会 場: 民具展示館、生活体験館(まゆの家)
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桑の葉
収蔵品展 蚕とまゆ 展
2022/04/28No.567
『収蔵品展 蚕とまゆ』展
が始まりました。

文化の森周辺地域は、古くより養蚕が盛んでした。
この展示では、蚕とまゆの生育とその道具の使われ方をご紹介いたします。
当時の暮らしぶりを垣間見ることができますよ。

写真1枚目・・
〈改良蔟(かいりょうぞく)〉ワラ製のもので、蚕がまゆを作りやすくするための足場や囲いです。他にも種類があります。

写真2枚目・・
〈ケバトリキ〉まゆを繭置台(上部木枠)に置き、ハンドルを回すと手前のゴムの部分に毛羽が巻き取られます。

写真3枚目・・
〈マワタツクリキ〉真綿を作るための道具です。茹でたまゆを広げて木枠の四隅にひっかけ、薄く引き延ばして真綿を作ります。 

写真4枚目・・蚕とまゆ展 チラシ


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◇会期: 4月23日(土)~8月28日(日)
◇休館日: 月曜日(ただし祝日の場合は開館し、直後の平日休館)
◇時間: 午前9時~午後5時
◇観覧料: 無料
◇会場: 民具展示館、生活体験館(まゆの家)
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かいりょうぞく
ケバトリキ
マワタツクリキ
蚕とまゆ展
年中行事 鯉のぼり立て
2022/04/28No.566
先日【年中行事 鯉のぼり立て】が行われました。

青い空を悠々と気持ちよさそうに泳ぐ鯉のぼり。
一昔前は、当たり前のようにあちらこちらで見られたこの景色も、最近では住宅事情もあり、随分と少なくなりました。
玄関口にはフキゴモリといって、菖蒲とよもぎを屋根に挿して魔除けとして飾っています。(状態により期間中に撤去する可能性があります。)

5月5日(木・祝)まで、まゆの家の庭で展示しています。
ぜひご覧ください。
青い空を泳ぐこいのぼり
フキゴモリ
まゆの家とこいのぼり
バスteiカード
2022/04/15No.565
ただ今みのかも文化の森で開催中の
『バス停からの小さな旅』展
をご観覧いただいた方でご希望される方には、
【バスteiカード】を一枚配布しています。
ご観覧後に、当館総合案内へお声がけくださいね。
尚、カードは一日につき一人一枚まで。
数量限定のため、なくなる前にぜひゲットしてくださいね!

◇会期: 5月8日(日)まで
◇会場: 美術工芸展示室
◇◇無料◇◇
バスteiカード
バスteiカード
バス停からの小さな旅 展
バス停からの小さな旅
2022/04/08No.564
みのかも文化の森周辺の桜が満開となり、
隣の加茂神社の桜越しに眺める“三角屋根の森のタワー”がとっても素敵です。
桜を見ると胸がワクワクしますね!

文化の森では、今年度も皆様にワクワクしていただけるような展示、企画、など計画していますので、ぜひ遊びにきてくださいね。
桜とタワー
隣の加茂神社と桜
新年度スタート
2022/04/05No.563
いよいよ新年度がスタートし、みのかも文化の森には力強い光が降り注ぐようになりました。
天気の良い日には、多くの方が外で気持ちよさそうに過ごしています。

逍遙こみちなど、おさんぽコースも少しずつ整備していますので、散策してみてくださいね。

現在下記の展示を行っております。
ぜひお立ち寄りください。
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『バス停からの小さな旅』
会場:美術工芸展示室
会期:~5月8日(日)まで
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あせびの花が満開です
芝生広場にて
森あそび
森あそび
【バス停からの小さな旅 展】が始まりました
2022/03/23No.562
2019年度から[暮らしの情報誌 広報みのかも]
にて掲載中の記事、全36点を一挙に展示します。

美濃加茂市内及び近郊を走る“あい愛バス”を使った小さな旅を紹介するコーナーで、当館学芸員がその土地の歴史や風景などの見所をわかりやすく解説しています。

見慣れた風景もいつもと違った見え方ができるかもしれません。
興味を持った場所に実際に行ってみるのも面白いですね。

〈写真 1枚目〉
あい愛バス 文化の森バス停

〈写真 2枚目〉
広報みのかも(2019年5月号、6月号、7月号)
第一号となる2019年5月号の記事では
『バス停「深渡公民館(むくの木・そうきち線)」から旧青柳橋跡を歩く』と題して紹介しています。


会期|2022年3月23日(水)~5月8日(日)
会場|美術工芸展示室

あい愛バス 文化の森バス停
広報みのかも(2019年5月号、6月号、7月号)
ひなかざり
2022/02/25No.561
美濃加茂市民ミュージアムでは、美濃加茂市内はもとより近隣各地の方々からご寄贈いただいた、昔の暮らしのなかで使われていた道具などの民俗資料を所蔵しています。

ただいまみのかも文化の森では年中行事として土雛(つちびな)による【ひなかざり】の展示をしています。

土雛(つちびな)とは、土をこねて形を作り、焼いて、 絵の具で色をつけた人形です。
ひな人形、武者人形、歌舞伎役者、動物など様々なものがあります。素朴で温かみのある人形です。

土びなも多くの方からご寄贈いただきました。
ひなかざり
みのかも文化の森と雪だるま
2022/01/14No.560
寒い毎日が続き、みのかも文化の森にも雪が積もりました。
朝は真っ白な芝生広場でしたが、昼頃になると雪だるまたちで賑やかな景色となりました。

ただいまみのかも文化の森では、以下の展示を開催しております。
ぜひお立ち寄りください。

●「鉄道のまち」展~美濃太田駅開業から100年~ (3月6日まで)
●ていねいな暮らしと道具展 (3月13日まで)
●白石加代子と「百物語」の世界 (2月13日まで)
●2021年度 新成人お祝い展示 (1月20日まで)
雪だるまと塔
雪だるまいろいろ
【休館中ですが、「やってます」 2021-6】                                              展覧会レポート:絵になる虫、野の草花 安藤真司の版画とガラス絵
2021/08/29No.559
8月29日まで開催予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて臨時休館となりました。最終週にご来場を予定していてくださったお客様もいらっしゃるかと思います。
そこで展示担当の和歌から、ほんの一部ですが展覧会の内容、展示作品をご紹介します。


⑥額縁のひみつ


写真は、ガラス絵を展示した壁面です。薄い額縁に入ったガラス絵が厚みのある大きな額の中に収められています。

通常、絵は額の中心に入れられることが多いものですが、上にずれていたり、時には斜めに入ったものもあります。

実は、文化の森で所蔵している安藤さんの作品のほとんどは、新潟にお住まいだった故・川本佳子さんが所蔵していた作品です。
安藤さんの作品が心から好きで、集めた作品は200点を超えます。
それらを「安藤さんの故郷にお返しする気持ちで」と寄贈して下さったものなのです。

生前の川本さんはギャラリーを開いていて、自分で工夫して額装した作品を展示することを楽しみにしていました。文化の森では、絵を愛して楽しむ気持ちが皆様に伝われば、という思いから、川本さんが作ってくださった額のままで展示をしました。
作品によって額の色や形、素材感が異なっています
ふりかえり6本日最後「だいすき、虫」展 (たまれぽ8)
2021/08/29No.558
 今回の展覧会では、虫捕りあみと虫かごをもって展示を観に来てくれる家族や子どもたちがたくさんいらっしゃいました。拾ったセミのはねをもってきて標本と見比べて名前を調べたり、自分の図鑑を持ってきて標本と見比べたり、虫メガネを持ってきてゆっくり時間をかけてみたり・・・いろいろ楽しんでいただけたようでした。

 今回は「だいすき、虫」をキーワードに、8人の方のムシとの思い出やムシについてのエピソードを中心にして、それにかかわる標本もお借りしご紹介しました。エピソードに関心を持っていただけたり、自分のムシとの思い出を思い出してもらえりしたのではないでしょうか。
 今度はぜひ外へ出かけて、いろいろなムシを捕まえたり、観察したりして、そして各地にある博物館に(インターネット上でもいいので)でかけたりして、ムシの世界に関心を持っていただけたら、そんな願いでいます。
6,500ひきをこえるムシがいました。
「いってみよう、はくぶつかん」
ふりかえり5「だいすき、虫」展 (たまれぽ7)
2021/08/28No.557
 ムシは自然の中でムシだけで生きているわけではありません。幼虫や成虫の食草や食糧となる植物や動物などほかの生き物との関係があります。ある地域から食草がなくなり、絶滅してしまったという昆虫の話はよく聞きます。
 一方いろいろな昆虫がいないと困る動物もいます。トリたちです。今回「鳥たちのだすき、虫」と題していろいろな昆虫を「くわえている」トリの写真も展示しました。イモムシだけでなくセミやカマキリなど、実にいろいろな種類の昆虫がトリの命につながっていく瞬間でした。

 文化の森のまわりにもたくさんのトリがいます。ここ数年、東駐車場の監視カメラにもスズメが巣を作っています。「今年もくるかな。」とひそかな楽しみです。
いろいろなムシトリの関係
アオムシくわえてる…
【休館中ですが、「やってます」 2021-5】                         展覧会レポート:絵になる虫、野の草花 安藤真司の版画とガラス絵
2021/08/28No.556
8月29日まで開催予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて臨時休館となりました。最終週にご来場を予定していてくださったお客様もいらっしゃるかと思います。
そこで展示担当の和歌から、ほんの一部ですが展覧会の内容、展示作品をご紹介します。

⑤美佐野シリーズ

安藤さんは美濃加茂市にほど近い、可児郡御嵩町美佐野のご出身です。山に囲まれた自然の豊かな土地で過ごす中で、虫や植物を採る楽しみを知ったそうです。

今回の展示では野草をモチーフにして、故郷の地名を付けた版画「美佐野」の連作を展示しました。

美濃加茂で見られる植物もあれば、珍しい植物の絵もあります。モチーフになった植物が生きている姿を見たくて、美佐野を歩いてみました。

山の周辺で安藤さんがよく絵にしているつるの植物や木の実、アザミをすぐに見つけました。
ホタルブクロのつぼみは木陰が差し掛かった場所で、見つけました。
重い首をもたげているような様子で光と影の間に揺れていました。

「植物の生きている姿形だけでなくその周りの空気感も表現したい」
展示室で聞いた安藤さんの言葉を思い出しました。
緑と水の豊かな美佐野の風景 
ホタルブクロを描いた≪美佐野'99-3≫1998年 14.7×14.7cm  エッチング、アクアチント、ドライポイント
野に咲くホタルブクロ
ドクダミを描いた≪美佐野´14-2≫ 2014年 9.5×14.5cm エッチング、アクアチント、ドライポイント
ふりかえり4「だいすき、虫」展 (たまれぽ6)
2021/08/27No.555
 文化の森のまわりの加茂神社の鎮守の森にもたくさんのムシがいます。このあたりにはいまでは貴重となった種類の様々な昆虫がいたそうです。

 小学校3年生のみんなと一緒に理科の勉強で標本を見ているうちに、文化の森のまわりに「普通」にいる昆虫の標本が少ないことに気づき、少しずつ捕まえて標本にしてきました。写真は今回の展覧会で紹介したチョウの標本箱。中には、はねがぼろぼろになってしまったチョウもいますが、文化の森の講座や文化の森賞の副賞などで参加者の皆さんが昆虫採集した時のチョウもいます。

 「普通」にいるチョウが「珍しい」チョウになってしまわないよう、チョウたちの生きてきた証も遺していきたいと思います。
きっとまだいっぱいいるよね
がんばっていきているので、はねもちょっとぼろぼろ。
【休館中ですが、「やってます」 2021-4】                         展覧会レポート:絵になる虫、野の草花 安藤真司の版画とガラス絵
2021/08/27No.554
8月29日まで開催予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて臨時休館となりました。最終週にご来場を予定していてくださったお客様もいらっしゃるかと思います。
そこで展示担当の和歌から、ほんの一部ですが展覧会の内容、展示作品をご紹介します。


④銅版画作品≪深い森の中で Ⅱ≫

描かれている花はバラ、ツバキにダリア。
虫はというと、アゲハ、アオスジアゲハ、オオムラサキ、カラスアゲハ、ギフチョウ、シジミチョウ、ニイニイゼミ、ミンミンゼミ、タマムシ、カナブン等・・・

この作品は、今回展示したものの中で、登場する虫の数が最も多い大作の版画です。

虫の部分はモノトーンです。
ガラス絵のように色が付いてはいるわけではないのですが、翅の形状や模様の描写から、虫に詳しい方ならその名前が推察できるそうなのです。

文化の森で長年お世話になってきた美濃加茂自然史研究会の安藤志郎先生に、この絵の虫についてお尋ねしたところ、「大きな蝶が描かれている上のほうには、この辺りにはいない南方の蝶が入っているね」と教えて下さいました。

安藤さんは実際に自分で虫を捕まえるだけでなく、虫の標本を買ったり、詳しい知人の方に見せてもらって、標本から絵に描くこともあるのだそうです。

目を凝らして見てみると、ガラス絵にも描かれているオオムラサキの姿もありました。名前がわかると、不思議と絵の世界に近づけたような気持ちにもなるのです。
≪深い森の中で Ⅱ≫ 2014年 91.0×60.0cm  エッチング、アクアチント、ドライポイント
【休館中ですが、「やってます」 2021-3】                         展覧会レポート:絵になる虫、野の草花 安藤真司の版画とガラス絵
2021/08/26No.553
8月29日まで開催予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて臨時休館となりました。最終週にご来場を予定していてくださったお客様もいらっしゃるかと思います。
そこで展示担当の和歌から、ほんの一部ですが展覧会の内容、展示作品をご紹介します。

③ 虫を描くということ・2

カサッという音まで聞こえてきそうなセミのはね。迫真的な虫の絵の数々。薄くて透明感のあるはねの質感までもリアルに表現されています。

安藤さんは、この絵の描き方について、「黒の極細油性ペンで輪郭やはねの模様の線を描いてから、色を塗り重ねていく」と、教えてくださいました。「よく見ると虫の身体には黒い線や点が多いんですよ」とも。

確かに、セミやトンボのはねの「翅脈(しみゃく)」は黒い線、チョウの触覚や毛や模様も黒い線や点が多いです。

必ず実物を見て描くという安藤さんの緻密な描写は、観察に裏付けられているのです。
≪森の記憶から 蝉≫ 2008年 ガラス絵 10.0×10.0cm
≪森の記憶から 蝶≫ 2001年 ガラス絵 9.3×13.6cm
ふりかえり3「だいすき、虫」展 (たまれぽ5)
2021/08/26No.552
 同じ種類(仲間)や同じ場所で何年もかけて調査をしてきた標本をお借りして展示しました。時間をかけて調べることで、その種類の仲間が暮らす場所の環境の変化が分かります。調査を続けているなかで、偶然、別の種類のことについて新しい発見もあるそうです。

 しかし何よりも、こつこつ、毎日、毎年、何年もかけて調べてきたその積み重ねに「すごい」の声が多く聞こえてきました。
こつこつあつめた標本です。
じっさいを目で見られることがひょうほんのみりょく
【休館中ですが、「やってます」 2021-2】                         展覧会レポート:絵になる虫、野の草花 安藤真司の版画とガラス絵
2021/08/25No.551
8月29日まで開催予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて臨時休館となりました。最終週にご来場を予定していてくださったお客様もいらっしゃるかと思います。
そこで展示担当の和歌から、ほんの一部ですが展覧会の内容、展示作品をご紹介します。

②虫を描くということ・1

先日、監視スタッフのSさんが教えてくれました。
「ガラス絵のトンボを見て、本物だと思って泣き出してしまったお子様がいました」と。

それを聞いたとき、私は安藤さんが7月25日に「だいすき、虫!」展のトークイベント中にお話されたことを思い出しました。

安藤さんは虫を絵に描くときのことを「絵の中に虫の命を封じ込めていくような感覚があるので、絵を完成させることができたら、それで満足なんです。絵の中で虫が生き続ければ。」と語っていました。

トンボの絵を見てくれたそのお子様は、きっと素直に、豊かな感性を働かせてくれたのでしょう。

怖がらせてしまったようですが、この絵に宿るトンボの命を感じてくれたのだとしたら、絵に込められた思いや真の意図まで伝わっていたのだとしたら、それはとても素晴らしいことと感じました。
7月25日 虫の作品の前でお話しされる安藤さん
オニヤンマを描いたガラス絵 ≪森の記憶から とんぼ≫ 2008年 13.6×9.2cm